この記事は,学級集団において大切なことについて書いています。
キーワードは“自己肯定感”です。
先日,学級の歴史学という本を読み,筆者は“どの家庭環境・地域環境・経済格差関係なく,効率的に勉強を教えるシステムとしての学級は変わるべき”と述べていました。
学級というシステムについて様ざななことが最近言われていますが,そうは言っても,“明日から学級というシステムは一切なくなり,別の形になります”と急になるわけはありません。
「学級って本当に必要なの?」と頭の片隅で問い続けることは大事ですが,それでも学級が存在し続ける限りは,目の前にいる子ども達のためにも,学級の良さを生かしながら,「どんな学級が良い学級か」ということを考え,実行していく必要があります。
では,どんな学級が良い学級でしょう。
1 一人ひとり役割があること
僕は,人がこのコミュニティに所属していたいなあと感じるときは,そのコミュニティが自分にとって居心地が良い,楽しいときだと考えます。
そう感じるためには,
「自分はこのコミュニティで必要な存在なんだな」
「自分はこのコミュニティで役に立っているんだな」
といった自己肯定感がものすごく重要であると考えています。
その自己肯定感を高めるために,一人ひとりが役割をもつが大切だと考えます。
2 役割をもつための方法論編
① 係活動
係活動は学級の定番です。
配り係や生き物係,黒板係,それぞれの教科係など様々なものがあります。
この係活動で,自分がこのクラスの役に立っているという感覚を味わっていくことができます。
僕の場合,4月の初めにある程度必要な係をこちらで提示して,何か他にも必要な係があれば子ども達に聞いて新たな係をつくっていくという流れで行なっています。
後,月に1回の席替えと同時に,係活動についても考えていきます。
この係は必要ない,この係とこの係は合体させても良い,他にもこういう係があれば良いのでは?など子ども達が考える機会をつくります。担任よりも実際に活動している子ども達の方が,分かっていることが多いです。
係活動のメンバーも同時に変えます。
これは,クラスのいろんな人と関わるという意図もありますが,自分でできることを増やすという意図もあります。
例えば,僕のクラスにはお楽しみ係といういうものがあるのですが,月に1回のお楽しみ会の企画・運営を全て行うという重要な係です。
係活動についての記事はこちら
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お楽しみ会の記事はこちら
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お楽しみ係と他の係を比べると断然お楽しみ係の方が難しく,また,忙しくあります。
様々なレベルのある係活動ですが,「いろんなことを経験することが大切」「どんな係でも誰でもできる」と声をかけ,子ども達がいろんな役割を経験し,「自分でやってみると色々できる」と自信をもつことが最も大切だと考えます。
② お楽しみ会
上にも簡単に書きましたが,月に1回お楽しみ会があります。
お楽しみ係が企画・運営するもので子ども達が全て行います。
子ども達が考えるミニゲームや手作りのものでの遊びなど「ちょっとしたこと」で楽しむことを大切にしています。
「あ,自分達はちょっとしたことでも思いっきり楽しめるんだな」こんな企画をつくるよう子ども達に声かけをしています。
また,当日のセリフや流れも緻密に計画するように伝えています。
会の終わりには振り返りの時間もあります。良かった点だけでなく,もっとこうすれば良かったとかこの企画はうーんという感じなど課題点も出すように促しています。
以上がお楽しみ会の流れで,難しいように感じる人もいると思いますが,「クラスのみんなが楽しめるように」と考えるための大切な係です。
③ ミニプロジェクト
プロジェクトというとものすごく大きなものと感じるかもしれません。また,会社のプロジェクトチームというえば,プロジェクトが立ち上がるとチームが作られ,終われば解散というイメージがありますが,ここでのミニプロジェクトもそんな感じです。
僕は,各行事の時にミニプロジェクトを立ち上げることができるということを学びました。
学校にある行事といえば,キャンプ,修学旅行,参観日,1年生を迎える会や6年生を送る会の時に,役割分担をしてそれぞれの活動に取り組む。
こういった行事はクラスではなく学年として動いていくことが多いので,普段とは違ったメンバーで行えることもとても良い機会です。
3 先生の役割
係活動やお楽しみ会,ミニプロジェクトはいわば,先生が場を作ったということです。
しかし,それだけで,子ども達の自己肯定感を育むことはできません。
自分の尊敬している先生は,ものすごく鋭い目をもっています。
「今この子はこういう可能性を持っているな」
「今この子調子が良くないな」
じゃあこういう役割をもたせてみたら良くなるのではないか?
言葉では簡単ですが,これがなかなかに難しい。
常に子どものこと見て,話をし,アクションを起こしていくこと,これが人間の教師の役割ではないでしょうか。
場を作ることはけっこう簡単にできますが,この鋭い目は意識していかないと一向に良くなりません。
僕もまだまだすぎて自分に悲しくなるときがありますが,頑張っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。