・小論文でどうしたら高評価をもらえるのか分からない。
教員採用試験の時期になりました。試験を受ける方は、試験勉強もいよいよラストスパートといったところではないでしょうか。
では、ギリギリになって、最短で伸ばせるところはどこか?
それは『小論文』です。
多くの自治体で一次試験の試験項目に小論文がありますが、教員採用試験の小論文の書き方には実はものすごくシンプルなコツがあります。このコツさえつかめば、論理的かつ説得力のある小論文になること間違いなしです。
・小論文の書き方のコツ
・予想テーマについて
この記事を書く僕は、以下のような人間です。
「現在小学校の教員をしており、教員採用試験は小論文でA評価をとったことがある」
目次
教員採用試験の小論文で高評価をもらえる方法は【書き方の勉強と経験談を用意すること】
書き方のコツ【主張→根拠→理由づけの三角ロジックを活用】
書き方のコツとして,僕は三角ロジックで書くことをオススメします。
イギリスの哲学者であるトゥールミンが提唱する論理的思考の基盤となる考え方のことを言います。
誰かを説得したり説明したりしたいときに,主張(話し手の言いたいこと)→根拠(その理由となる客観的な事実)→理由づけ(根拠からの解釈)の順で行うことで,より分かりやすく説明を行うことができるようになるというものです。
これまでのテーマをもとに考えてみると、小論文のテーマでは,“〇〇の教師とはどういう教師か?”や“〇〇についてあなたの考えを述べなさい”といったテーマが多いです。
では、三角ロジックを用いて、具体的にどのように小論文を作っていくか紹介します。
主張はあらかじめ考えておく
まず初めに“テーマに対する主張”を考えていきます。
例えば、
①“子どもをやる気にさせる教師はどのような教師か?”
→子どもをやる気にさせるために、私は,〇〇を大切にする教師でありたいと思っています。
②“子どもに生きる力を育むことについてあなたの考えを書きなさい”
→子どもに生きる力を育むために、私は〇〇を大切にする教師でありたいと思っています。
③“信頼される教師とは?”
→信頼される教師であるために、私は〇〇を大切にする教師でありたいと思っています。
というような形で主張を書きます。
〇〇の中には様々なものが入りますが、ポイントは、〇〇には全部同じ言葉が入るようなものを用意しておくことです。
そうすれば,テーマを見たときに,“何書こうかな”と迷う必要はありません。
ちなみに僕だったら,〇〇には“自分自身が変わり続ける”という言葉を入れます。
“子どもをやる気にさせるためには自分自身が変わり続けることが大切”
“子どもに生きる力を育むためには,自分自身が変わることが大切”
“信頼される教師であるために,自分自身が変わることが大切”
こんな感じに、違和感なくどの文にも当てはめることができます。
さらに重要なポイントは、“主張に不正解はない”ということです。
大切なことは、この後書く「なぜそのように主張になるのか?」という根拠と理由づけにあります。
根拠には“経験談”を書く
主張に対しての根拠には、自分自身の経験談を書くと良いです。
よく小論文にありがちなのが、“こういう子を育てるために,こういう手立てをする”という書き方です。
例えば、
あいさつの力を育てるために,朝のあいさつ運動をクラスで行う
クラス全員が仲良く過ごせるように,休み時間にクラスの全員が遊べる時間を作る
手立てを書くことはもちろん良いですが、これだけだとハッキリ言ってかなり弱いです。
“なぜこの手立てをするのか?”“そこにはどのような子どもの姿があったのか?”
という経験がないと誰でも書ける文章になるからです。
そこで大切なのが、実際の子どもとのエピソードが大切になってきます。
エピソードこそが、借り物でないその先生とその子だけのオリジナルのものだからです。エピソードに勝る根拠は僕はないと思っています。
ちなみに、先ほどの“自分自身が変わり続けることが大切”という主張について,僕だったら
“こういう場面で、子どものこういう姿があった。この時の子どもの姿を僕は私はこのように捉えた。その捉えから私はこのように感じた。この出来事は自身のあり方を大きく変え、以後その子にあった授業を行ううえで大きな役割を果たしている。。このような経験から子どもを変えようとするのではなく,自分自身の価値観を変え,子どもの中に入ることが大切だと感じました。”
のように根拠を書きます。
誰でも書けるような手立てと,自分だけの子どもとのエピソードでは,後者の方が根拠として圧倒的に強いです。
自分と子どもとのエピソードにこそ,先生の教育観や思いが溢れます。試験官は教師に必要な資質として、教員採用試験ではそのような教育観や思いを見ているはずです。
理由づけは論理的に
最後に理由づけです。
注意する点は主張と根拠が一致しているかどうか確認するということです。
例えば、
主張“クーラーをつけた方が良い”
根拠“今室温は35度だ”
理由づけ“クーラーをつければ室温が下がり快適に過ごすことができる。”
は主張と根拠の整合性がとれているので理由づけもバッチリです。
しかしこれはどうでしょう。
主張“クーラーをつけた方が良い”
根拠“今室温は0度だ”
理由づけ“クーラーをつければ室温が下がり快適に過ごすことができる”
これだと主張と根拠のいずれかがおかしいということになります。
よって理由づけも意味が分からなくなります。
理由づけは、主張と根拠を『論理』という糸で結ぶ役割を果たしています。
主張と根拠の整合性が取れ、理由づけもしっかりとできれば,説得力のある文章を書くことができます。
①書き方のコツをつかむこと
②経験談を根拠として書けるよう蓄積しておくこと
この2点を大切にすれば、小論文で高得点間違いなしです。
予想テーマ『コロナ禍における新たな学び』
今年の教員採用試験は,コロナウイルス関係の内容が出る可能性が高いです。
小論文のテーマか面接の質問にしても,いずれかで聞かれるのではないかと予想します。
質問例については,次の記事をご覧ください。
【教員採用試験面接対策】コロナ真っ最中の面接で何を聞かれるの?【求められている教員像は「当事者意識」】おわりに【最後は“教員になりたい”という強い思い!!】
小論文の書き方のコツと、文の中に自分自身の経験ついて入れると良いということについて書いてきました。
これだけで、ABCD評価のBはいけると思います。
では、Aになるためにはどうすれば良いか?
後は試験官の方に“教員になりたい”という思いをどれだけ伝えられるかだと思います。
そのために、文の内容がどれだけ思いのこもったものになっているかが肝心です。
“思い”が伝わりさえすれば、文の書き方が構造的でなくても、良い評価をもらえるのかもしれません。
熱い思いをもって一文字一文字書いていきましょう!
では!!
教員採用試験対策については、下記の記事もご覧ください。
過去のテーマはこちら
↓↓↓
長野県教員採用試験【今年のテーマは“チーム学校”】 長野県教員採用試験『多様性』がキーワード【みんなちがってみんな良いはどこまでなら良いのか?】
教員採用試験筆記対策についてはこちら
↓↓↓
【教員採用試験対策】最短で高得点をとる一般教養・教職教養の勉強法【見るだけ勉強法】