最近の記事では,お互いに理解し合うことができる関係を重視した学級経営について考えてきました。
今回の記事では,これらを踏まえ,僕が子どもをどのように見ているのかについて,具体的な事例も含めて書いていきます。
今日の事例は,“責任感のある子ども”です。
ではさっそくいきたいと思います。
1 子どもの事例
こんな子どもがいたとします。
同じ班の困っている子がいたら進んで助けようとする。例えば同じ班の片付けができない子のサポートをする。掃除をしなかったら,しっかりするように促す。席に座っていない時には,席に座るように促す。体育の時に声を出していない子に対して声を出すように促す。
この子ってどんな子なんでしょう?自分らしく生きているのでしょうか?
2 基本的なスタンス
この子は一体誰のために責任感を強く感じているのか?
自分のため?友達のため?先生のため?
先生のために責任感を発揮してくれているのであれば,その子の責任感は偽りの責任感です。
“先生が認めてくれるから”というのは,自分の中の正義感で行なっていることではなく,完全に他律です。
これでは,子どもは人の目を気にして行動する子に育っていきます。
もちろん,子どもが教師の都合良く動いてくれればそれはラクです。
でも,それでは良いはずありません。
あえて,難しく大変な方に進むべきです。
3 この子をどう捉えるか??
上の事例のような責任感のある子は果たしてリーダーでしょうか?
僕は,リーダーではないと思っています。
なぜなら,◯◯できない子を無理にやらせようとしかしていないからです。
これは,もはや“責任感がある”と言うよりもむしろ,“みんながやっているからあなたもやって”
“一人だけしっかりしないのはズルイ”と言うような同調圧力が働いているということを感じます。
本当に責任感のある子であったら,◯◯できない子に対してそのような対応はとらないと思います。もっとその子に寄り添って,その子の気持ちを理解するところからスタートするはずです。
また,なぜその子は,“◯◯だけズルイ”と感じるのか?発達段階的なものか?家庭的背景か?これまでの生活経験でそのようなことかあったのか?を考えていきます。
そして,僕としては,“責任感のあることは良いことだから,みんながやっているのであれば◯◯できない子もするべき”という同質的な価値観から,“まあ,少しくらいできなくても良いよね。本人的には頑張っているよね”という異質の価値観に変わってほしいと願います。
時には,「いつもありがとう。無理していない?」と声をかけてあげたいものです。
また,こういう責任感のある子は,“担任の先生が◯◯できない子をこうしているから,自分もこうする”というように,担任の関わり方をよく見ているので,◯◯できない子の見方を担任自身が変えていく必要があるということは言うまでもありません。
なかなかそれが難しいのですが・・・
4 おわりに
子どもの見方について書いてきました。
今後もいろんな事例をもとに考えていきたいと思います。
では!!