イケミ先生の『教育への想い』

夏休み一人教員研修9

夏休みもいよいよ終わろうとしています。

一人教員研修もそろそも大詰めです。

 

昨日,“嫌われる勇気”という本を再読しました。

嫌われる勇気

嫌われる勇気

 

 

嫌われる勇気とは,本屋さんでもかなりのベストセラーとなっています。

内容は,“アドラー心理学”と呼ばれる考え方を提唱しています。

 

約3年半前に買って読んだのですが,内容を少し忘れてしまっていたこと,それから当時読んだ時と昨日改めて読んだ時と自分の中でかなりアドラー心理学の意味づけが変わったことに気づいたので,再読して本当に良かったです。

 

 

そもそもアドラー心理学って何?

アドラー心理学(アドラーしんりがく)、個人心理学(こじんしんりがく、: individual psychology)とは、アルフレッド・アドラーAlfred Adler)が創始し、後継者たちが発展させてきた心理学の体系である。個人心理学が正式な呼び方であるが、日本ではあまり使われていない。

もともとはジークムント・フロイトとともに研究していたが、その学説はフロイトの理論とは大きく異なり、たとえば苦しみの原因をトラウマに求めないことなどがあげられる。

Wikipediaより引用

 

Wikipediaには他にも5つの基本前提が書かれているが,その中でも“目的論”について述べておきたい。

目的論とは,目の前で起きた事象を過去に起因するものとして解釈しようとする原因論的なものではなく,その人が目指している目的に起因するものだという考えていこうとする考え方である。

 

そしてこのアドラー心理学は,学級経営でも使われる考え方なのだが,この考え方にとても共感した。

 

実は僕は全生研に所属しているのだが,この全生研のアプローチは,子どもの背景や子どもの事実をつなぎ合わせ,その因果関係を紐解いていく中でその子の要求は何かを探り,指導方針を立てていくというアプローチだ。

ちなみに僕も現在この子どもの見方に学ばせていただき,この方法で子どもを見ている。

 

これは,アドラー心理学の目的論的な考え方とよく似ていると思われる。

なぜなら,過去の原因で子どものストーリーを救っているので一見原因論のように見えるかもしれないが,あくまでそれは目的論のための手段であり,結局この子は何を求めているのかという目的に目を向けているからだ。

原因が分かったからこれで仕事終わりですではなく,ではこの後どうしていくか?というところが一番大切な部分である。

 

また,アドラーは次のことを述べている。

全ての問題は対人関係の問題である

 

これを目的論と結びつけて,具体的に説明すると次のようになる。

 

例えば,クラスで片付けをせずに,机の周りをめちゃくちゃにする子がいたとする。

原因を探ると,もしかするとその子の気質や性格によるもの,片付けが苦手など様々な原因は想定されるが,果たして本当にそうだろうか?

 

片付けが苦手であるのであれば,片付けの方法を示せば解決するのかというと,実はそんなに単純な話ではない。

 

その子が片付けをせずに机の周りをめちゃくちゃにするのは,その子にとってメリットがあるからである。

だから,片付けが苦手という自分をつくっているのである。

 

では,どんなメリットがあるのか?

 

このメリットこそが片付けをしない目的であり,その子の要求,そして対人関係の悩みとも言えるが,すなわち

“人から注目されたい”

という目的である。

 

は?

と思うかもしれないが,おそらくそうだと思う。

 

これまで正当な方法で人から注目されなかった(認めてもらえなかった)ことが,本人の中の心の傷となり,正しくない方法でしかも簡単な方法で他者から注目を集める方法を獲得してしまったのである。

 

先日,金大竜先生の本も拝読したのだが,そこに書かれている理論とも通じるところがあるように感じた。

www.ikedisk.com

 

このように子どもの問題行動を捉えると,支援の方法がハッキリと見えてくる。

叱ったり褒めたり,片付けの方法を教えたりして,片付けができるようになることを目指すのではなく,その子に“あなたはありのままでいいんだよ”という安心感を感じることができ,クラスの居場所を本人が生み出すことである。

ここで,“本人が”と強調したのは,これもアドラーの考え方なのだが,課題の分離という考え方である。

要は,子どもの問題行動は教師の問題ではなく,あくまで本人の問題であり,結局自分を変えることができるのは自分の選択によって成し得るという考え方である。

他者に依存している時点で,それは他者軸で動いているのであり,真の自由を行使できていない。

また,そもそも子どもの行動を問題だと感じているのは教師の主観であるということも忘れてはならないことにも気付かされた。

 

結局教師ができる支援とは

決して他者との比較はせずに,その子の一生懸命の姿を認めること

感情は否定しないこと

信頼すること

 

かなあ・・・

 

 

後は,一人の子を大問題として注目して見すぎるのではなく,全ての子を注目してみること

真っ当に一生懸命やっている子をとにかく大切にする。

どうしても問題行動を起こす子にコミットしすぎてしまうことがあるがこれは誤ったアプローチ。問題行動を強化してしまうだけでなく,一生懸命やっている子が“自分は頑張っているのに何も見てもらえない”となる。

正当に認められるべき。

やり方はちがえど全ての子が居場所を求めて頑張っている。自己実現のための頑張っている。

 

 

今後もアドラー心理学について勉強していきます。

では!!

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