・子どもたちにとって、より良い学校のあり方について考えたい
先日、名古屋大学准教授の内田良先生の“校則”についての記事がYahooニュースにアップされました。
理不尽な校則 なぜ変わらないのか――コロナ禍の校則緩和から「学校依存社会」を読み解く
また、YouTubeでもライブ配信されたり、Twitterでも“学校ゆるくていいじゃん”というハッシュタグでツイートされそれが広まったりと、校則の問題について世に広めていってくださっています。
実際に、学校には理不尽な校則は多くあります。子どもたちの人権を配慮していないものや指導の範囲を超えているもの,校則とまではいかないが、子どもにとって“何でだろう?”と感じるようなルールなど、数え出したらキリがありません。
現場で働くものとして、子どもたちを息苦しくさせてしまっていることに申し訳なさや、なかなか変わらない・変えることのできない自分にもどかしさを感じています。
ただ、変えたい!!という思いは変わりません。
・コロナにより、カラフルマスクは何の違和感もなくなった
・現場で働き続けると理不尽な校則やルールを許容する教員になってしまう自分がいる
この記事を書く僕は、以下のような人間です。
「小学校教員をしており、理不尽な校則に疑問を感じているが、どのように学校文化を変えていけば良いのか悩んでいる」
「子どもたちが自分たちで校則やルールを決めていくことが大切だと感じている」
「教師の役目は、子どもたちをもっと信じることだと感じている」
僕のようないち教員でも、疑問に感じていることがあれば、「これって何のためにあるのかな?」「これは本当に必要な拘束なのだろうか?」を正直に発信していくことならできます。
校則についても多様な意見があるかと思いますが、子どもの幸せを願うという点においては一致しているはずです。その一致点は大事にし、校則についても子どものことを思ったより良い方向に変えていけると良いなあと感じています。
この記事を読めば、学校の理不尽な校則・ルールが存在し続ける理由や、理不尽な校則・ルールが必要ないということが分かります。
目次
理不尽な校則が存在し続ける理由
学校には理不尽な校則がたくさん存在しています。
例えば、
- 派手な服は学校に来てこない
- 頭髪の色は黒色でなければいけない
- 決められた靴下の色やカーディガンの色以外は着てきてはいけない
- ツーブロック禁止
- 教室でジャンバーを着てはいけない
- 小学生はシャーペンを使ってはいけないし持ってきてはいけない
などが挙げられます。
中学校や高校では服装検査なんていうものもあるようです。スカートの丈の長さや決められた服を着てきているかをチェックしているようです。
子どもが生活しやすいとは逆行した校則やルールがたくさんあります。
では、なぜこんな理不尽な校則が存在し続けるのでしょうか?
その理由についいくつか考えました。
①校則を守らせないと子どもが荒れると思っている
②管理することで教師側が安心する
③変えようと声をあげづらい職場の人間関係がある
順番に解説していきます。
校則を守らせないと子どもが荒れると思っている
服装や髪型にしても校則を守らない子どもは荒れると思っている方がいます。
例えば、服装について。
小学校高学年になると、女子は特にファッションに興味をもち始めます。とても素敵なことだと思うのですが、これを良くないと思う先生は多くいらっしゃいます。もしかするとその子にしてみれば、“この程度の服装は全然オシャレじゃない”と思っている可能性も考えられます。“この服はオシャレだ”の価値基準は結局のところ教師側にあります。その教師のオシャレ価値基準を超えると子どもは荒れると考えているようです。
不思議です、、、
もし、僕のこの主張に反論してくださる方がいらっしゃるのであれば、ぜひ、服装指導の理由を教えていただきたいです。
※服装指導を大切にされている方を否定しているわけではありませんので、その辺りは誤解のないようお願いしたいです。
管理することで教師側が安心する
子どもたちが教師の言うことを聞いてくれることに安心感を得る教師もいると考えます。
みんなが揃っていることに安心するのでしょう。
また、子どもが教師の言うことを聞かないと、周りの先生から「あの先生は指導力がない」と思われるかもしれないという不安からそのような考えに陥るのだと思います。
子どもが教師に意見を言えることの方が健全であるにも関わらずそのような思考になってしまうのは、これまでの管理教育が大きく影響しているのだと思います。
※もちろん命に関わるような校則についてはきちんと指導する責任が教師にはあります。
変えようと声をあげづらい職場の人間関係がある
一番大きなポイントだと思います。
きっと多くの方が校則についてクエッションを感じているのだと思います。なぜなら、「靴下の色は必ず白でなければいけない」と本気で思っている先生っているのでしょうか???もし、いらっしゃったらその理由を教えていただきたいくらいです。
しかし、それを言うことができない現状があります。
言わないメリットの方が大きいと感じているからだと思います。
・言ってもどうせ変わらない
・今まで通りやってきた方が“ラク”と感じている
・おかしなことを言ったら、周りから変な目で見られる可能性があり、今後働きづらくなる
僕もそのように感じたことが何度となくありました。意見を言えないことも多々、、、
このような不安を打ち破り、お互いに意見を言い合っていくことが校則をより良いものにしていく第一歩だと感じています。
コロナにより、カラフルマスクは何の違和感もなくなった
これまで、学校に着用してくるマスクは何となく“白色”が当たり前でした。
黒いマスクを着用してくる子どもを見ると、“ヤンチャな子”と捉えたれたり、違和感を感じたりするということが多かったように思います。学校によっては、黒色のマスクだは学校の雰囲気が悪くなるという理由で禁止にし、マスクは白色が望ましい”なんてことをルールにしている学校も全国にはあったのでしょうか?詳しくは分かりませんが、服装や髪型について厳しい学校であれば、マスクの色にも厳しそうな印象です(違っていたらすみません・・・)。
そんなマスクの色ですが、コロナにより白色のマスクが売り切れになっれからどうなったかと言うと、今や子どもたちは色んな色や柄のマスクを着用しています。
黒色のマスクはもちろん、布を使った手作りマスクもあります。さらに柄のマスクやアニメのマスクなど本当に多種多様です。
そんな多種多様なマスクを子どもたちは着用していますが、子どもたちはこれまでと変化はあったのでしょうか?
マスクの色が変わっただけで子どもたちが荒れたり、雰囲気が悪くなったりすることはあったのでしょうか?
少なくとも僕の学校では一切そのようなことはありませんでしたし、色んな学校の話を聞いてもマスクの色で子どもたちの様子が変わったということはこれまで聞いてきませんでした。
つまり、マスクの色は子どもたちの乱れには一切関係ないのです。
とすると、服装や髪型などの外見も、同様のことが言えると思います。
このような見た目の指導にこだわりすぎると教育の本質的なものがどんどん見えなくなってきてしまいます。
学校は、科学的根拠やきちんと理由を説明することができない校則やルールを守らせる場所ではないはずです。
また、僕自身、多種多様な子どもたちのマスクを見て、「お!かっこ良いねえ!」「この柄はアニメのキャラクターの柄かな?」など、マスクをきっかけに子どもたちとコミュニケーションをとることができました。
服装や髪型についても、このような関わり方をした方が子どもたちにとっても教員にとっても良いのではないでしょうか。
現場で働き続けると理不尽な校則やルールを基に子どもを見る教員になってしまう自分がいる
先日次のようなツイートをしました。
公立で働き続けると、どうしても学校的価値観になってきてしまう自分がいる
本当にその価値観が正しいか、常に問い続けなければ、それこそ本質を見失ってしまう、、、#学校ゆるくていいじゃん
— イケミ先生@小学校教員 (@ikedisk) January 4, 2021
このツイートについて詳しく説明すると、初めは“何でこういう校則やルールがあるんだろう”と感じていても、時間が立つといつの間にかそのような価値観の基で子どもを見てしまっている自分が時々います。
例えば、
教室から理科室や音楽室などの移動の時、、、
少し列が乱れた時に、なぜか注意してしまう自分がいました。
ふと落ち着いた時に振り返ると、「そんなのどうでも良いじゃん」「子どもたちに申し訳ない」と、指導したことについてめちゃくちゃ後悔しました。
なぜそのような指導をしてしまうのでしょうか。
列がそろっていることが良いという潜在意識が少しずつ自分の中に出来上がってしまっているように感じます。
また、周りの目というものを少なからず気にしてしまっている自分がいます。
あとは、「指導力のある先生」とどこかで見てほしいのでしょう←ダサイ・・・
そうならないためにも、「自分のこの価値観て本当に正しいのか?」「子どもたちのためになっているのか?」常に問い続ける必要があります。
まとめ【校則を大切にされている方を否定しているわけではない】
理不尽な校則についてここまで自分の考えを書いてきました。
最後に言いたいことは、校則を大切にされている方を否定しているわけでは決してないということです。
ただ、時代に合っていない、かつ本当に子どもたちのことを考えているのか疑わしい校則について考えていく必要があるということを言いたいのです。
ぜひ、校則について色んな方と意見交流をしてより良い方向に進んでいくと良いなあと感じています。
僕も全力でいきますのでご意見ありましたら、いただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では!!