学校で働いていると,絶対にあって欲しくないこと
その一つに『学級崩壊』というものがあります。
「学級崩壊になりたい」「学級崩壊のクラスをもちたい」と考えている先生はまずいないと思います。
中には,学級崩壊のクラスを立て直すことに自信をもってらっしゃる先生もいるとは思いますが,そういう先生はおそらくごく稀に見るスーパー先生です。
◯学級崩壊って何?
では,学級崩壊とは何をもって学級崩壊というのでしょう?
学級崩壊とは・・・
学級が集団教育の機能を果たせない状況が継続し,通常の手法では問題解決が図れない状況に陥った状況のこと wikipadiaより引用
学級崩壊には様々な『型』がありますが,例えば「教師へ反抗型」「怠慢型」「非行型」などがあります。
もし,学級崩壊が起きてしまうと,その集団における子ども達の安心・安全は担保されなくなってしまうと同時に,教育活動もままならなくなってしまいます。また,みんながいるから自分も頑張るという,集団としての同質性が良い方向に働くこともなくなってしまいます。
これでは,子ども・保護者・学校・先生,幸せに生活できる人は誰一人といません。
◯学級崩壊はなぜ起こる?
学級崩壊には,社会的背景,文化的背景,学校の役割変化,先生の在り方など様々な要因が複雑に絡み合って起きます。
そのどれか一つが良くなれば学級崩壊は治まるという明確な答えはありません。
様々なところに要因があるということは事実として,かと言ってそう言い続けて責任の所在はどこかに押し付けるだけではいけません。
先生にできることは何でしょうか。
◯先生としてできることは「人間関係・信頼関係」をつくることです
一番は子どもと先生,また子どものどうし関係づくりが重要です。
人間は本来,自分の居心地の良さによって自分の精神的安定を保ちます。クラスという集団は誰にとっても居心地の良い場所でなければいけません。
「自分の居場所がない」そんな風に感じてしまう集団にはいたくないですよね。大人であれば,その環境を上手に変える,あるいはその環境から自分が退くことができます。しかし,子どもは環境を変えるスキルを知りませんし,基本的にはクラスという場所に居続けなければいけません。
クラスという集団が存在する限り,お互いに居心地が良い集団の方が良いに決まっています。そのため,関係性をつくることはものすごく重要なのです。
また,自分が周りにに認められていることはものすごく重要です。人間は他者受容感を欲します。
同じ言葉でほめても,関係性ができていれば「嬉しい。自分は認められているんだ。」と感じますが,関係性ができていなければ「うるさい」と感じ,その言葉が思うように伝わりません。結局は『誰が言っているか』がものすごく大事というわけです。そのため,関係性をつくることはものすごく重要なのです。
◯より良い関係の作り方
では,より良い関係はどのようにしてつくることができるでしょうか。
先生の性格,子どもの実態によって方法は様々です。
ただ,確実に言えることは,「コミュニケーションをとること」は継続して行なっていくべきということです。
ただひたすら遊ぶ,ただひたすらに話す
その中で,少しずつ関係はつくられていきます。
休み時間のちょっとした時間でそういう時間をつくる、例えば,折り紙を一緒に折りながら話すでも良い,サッカーに混ざるでも良い,
1日40分休み時間があり,これが200日あると考えると,全部で8000分になります。
これは45分の授業が177回分に匹敵します。
5,6年の国語・算数の授業時数とほぼ同じです(それぞれ175回)
毎日やることがたくさんある中,どこに重きをおくでしょうか。
宿題の丸つけをするなら,子どもとコミュニケーションをとった方が重要だと考えます。
子どもとの雑談もとても大切です。
雑談が苦手な方でも,専科の授業どうだった?と質問してそこから話を広げたり,水槽の掃除をしながらその中でお話しをしたり,作戦を立てながら子どもと先生,また子どもどうしの関係をつくることは心がけています。アプローチの仕方は山ほどあります。ミニゲームでも良い。
◯終わりに
最後に,完璧な関係など存在しない,良くなるときもあれば悪くなるときもある,だからこそ継続して関係づくりをしていく必要があります。