・やり抜く人がもっている考え方や方法を知りたい
こんな要望に答えます。
・「やり抜く人の9つの習慣」を読んだ感想
この記事を書く僕は、以下のような人間です。
「小学校の教員をしている」
「子どものエピソード・本から得た学びをもとに自分自身の視野が広がることに喜びを感じている」
「やり抜く人の9つの習慣」は社会心理学者で、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・ティーチャー副所長のハイディ・グラント・ハルバーソンさんの著書です。この方は、モチベーションと目標達成分野の第一人者です。
今回は、その「やり抜く人の9つの習慣」の感想を簡単にまとめました。
短い本なので、すぐに読めます。
目次
「やり抜く人の9つの習慣」:読んで勉強になった5つのこと
「やり抜く人の9つの習慣」で勉強になったことは以下の5つです。
①目標達成のために「やるべきこと」を具体化する
② 現実的楽観主義になる「やった=成果が出るではない」
③ 「成長ができない」と思ったらそこで試合終了
④意識力を鍛える&大切にする
⑤自分を追い込まない
順番に解説していきます。
目標達成のために「やるべきこと」を具体化する
誰にでも、気が向かないとき、サボりたくなるとき、あきらめるとき、落ち込むときがあります。そんなときに、目標に具体性がないと、簡単に、楽な方へと流されていきます。そうならないために、目標は具体的にする必要があります。
出典:やり抜く人の9つの習慣
やることを明確にすることは子どもにとってもとても重要なことです。
授業でもはじめに、この1時間で何を学ぶのか見通しをもつことが大切です。
また、僕は単元の始めにも“どんな流れでこの単元を進めていくか”ということを明確にしています。
国語の授業で、“本のリーフレット を作ろう”という活動を例にあげると
リーフレット を作るために
①お話のあらすじを書けるようになる
②お話のおもしろいところを見つける
ということが必要だと明確になってきます。
さらに、子どもたちどうしであらすじの書き方やおもしろいところにちがいが生じるということは分かっているので、対話の必要性も生まれてきます。
以上のように、やることをはっきりしておくことが授業では大切です。※もちろん予定から外れることは大歓迎です。ただ、最初から無計画というのはちがっていて、子どもにとっても不安に感じる要素になりかねません。
視覚化してやることを掲示しておくことも有効です。
現実的楽観主義になる「やった=成果が出るではない」
「目標は簡単に達成できる」と考えている人は成果が出ないという研究があるようです。
本書では、
「目標は達成できる」と信じるのは変わらず大切なことです。しかし、「目標は簡単に達成できる」と考えてはいけない。(省略)「成功するのはたいへんだ」と思っている人は、「最善の努力をしなければならない」と考えるので、大きな成功をつかむことができます。(省略)まずは「自分の前に横たわる課題や困難から逃げないで、しっかり見つめること」そして「課題や困難がどの程度のものなのかを検討すること」です。
出典:やり抜く人の9つの習慣
と書かれていました。
物事の達成・不達成に一喜一憂するのではなく、常に冷静に現状分析をしていく必要があるということですね。
これには、「自己肯定感」も大きく関わってきそうです。
自分を受け入れることができるかという「自己肯定感」の高い人は冷静に現状分析をすることができそうです。
しかし、自己肯定感の低い人は、その都度感情的になり、さらに自己嫌悪・自己否定に陥りそうな気がしています。
自己肯定感の低い人が、どのようにすれば冷静に現状分析をできるようになるか、このあたりも考えていく必要がありそうです。
「成長ができない」と思ったらそこで試合終了
「自分には成功する力がある」と信じることと同じくらい大切なことがあります。「今できなくても、できるようになる」と信じることです。(省略)「失敗してもいい」「失敗なんて何でもない」と考えると、実際に失敗する確率は大幅に低くなるという研究結果があります。
出典:やり抜く人の9つの習慣
このように、能力を伸ばして今できないことをできるようにするという目標タイプを「成長ゴール」と筆者は呼んでいます。この「成長ゴール」こそ重要です。
このあたりは子どもの方が大人よりもすごいところだと感じており、すでに子どもに備わっていると感じています
子どもはとにかく諦めません。
この前の体育でこんなエピソードがありました。
体育でリレーをしていた時の話。あるチームは何回やっても最下位でした。チームの雰囲気もあまり良くない時が続いたり、悔しくて「もうやりたくない」と言ったり、、、。それでも次の授業の時間になれば「今日は勝つぞ」という気持ちに切り替え対決。それでも結局負けて「もうやりたくない」と悔し涙、、、それでもめげずに取り組んだ結果、一番最後のリレーでなんと1位をとることができました。
僕自身もこれにはすごく感動しました。最後まで1位になったということではなく、最後まで自分たちを信じて粘り強く取り組んだことにより、できないことができるようになったのです。まさしく「成長ゴール」です。
子どものもっているそういう粘り強さ、大切にしていく必要があるなあと感じました。
意識力を鍛える&大切にする
意識力と筋力は似ている
と筆者は述べています。
つまり、筋力のように意志力も鍛えることができるということです。
教員の仕事に置き換えると、
例えば、
・学級通信を毎日出す
・毎日日記やノートにコメントを書く
・掲示物にこだわる
などなど労力は使うけど、子どもためになることがあります。
でも、実際はできていないなんてことも、、、
これには意志力が関わってきていると僕は思っています。
どうすれば良いでしょうか。
初めから全てを完璧にこなすことはできないので、どれか一つ選んで継続することを決めても良いかもしれません。
そうすることで。子どもにとっても良い影響を与えることができることはもちろん、自身の意志力も鍛えることができます。
一つ目標をクリアできたら、それで身についた意志力を使って別の活動に挑戦してみる、そんなループができたら最高です。
僕の場合は、毎日リフレクションすることです。←全然できていない笑
自分を追い込まない
一見やり抜く力とは逆の言葉のように聞こえるかもしれません。しかし、これもやり抜くための習慣の一つなんです。
理由は以下の通りです。
どれほど意志力を鍛え上げても、それには限界があります。(省略)意志力を使えば、それは消耗します。(省略)多くの人は、自分の意志力を過大評価しています。自分の意思で誘惑に打つ勝てると考える結果、多くの誘惑に囲まれた生活をすることになり、むだに意志力を消耗してしまうのです。(省略)長い一日の終わりには、ほとんど残っていない状態になるのです。
出典:やり抜く人の9つの習慣
やることはシンプルにする必要がありそうです。
「あれもやらなきゃ。これもやらなきゃ」の状態は、大人も子どももシンドイです。
一昨年、5年生を担任していた冬の時、子どもたちの行う活動、教員のやる仕事が何個も重なった時がありました。
◯子ども活動
・児童会選挙運営&準備
・第1回児童会計画案作成&リハーサル
・6年生を送る会準備&リハーサル
・学年最後の参観日準備&リハーサル
プラスαでスキー教室の計画も行いました。
よく子どもも自分もやってたなあと尊敬してしまいます。
ただ、その時は生きている心地がしなかったし、今のように“楽しい”っていう感覚はありませんでした。
その時は、“家に帰ってから勉強するぞ!”という意志力はゼロでした。
過剰なタスクは意志力も人生の生きる喜びをも失わせるので、注意が必要です。
「やり抜く人の9つの習慣」:読んだ感想
やる人とやらない人で差が生まれることは必然であると感じた
やり続ける人は、意志力も向上し、やり抜く力も磨かれるため、レベルアップが加速されていく。そして「自分は頑張っている」によりどんどん自分を好きになっていく。
一方で、やらない人は、どんどんやらなくなる。「やらなきゃやらなきゃ」と思うことで、それがどんどんプレッシャーになり、結局やらなくなってしまう。結果として、「自分なんてダメだ」と自分否定に陥り、よりやらなくなる。
どちらの人生が良いかは明確だなあと感じました。
また成果を出している人がめっちゃすごいのは、「やり抜く習慣化」の無限ループと加速化により、比べものにならないほどの努力と経験を重ねているからなんだなあと感じました。
僕なんかの頑張りは、その人たちの頑張りの数%にも及ばないんだと思います。
まだまだがんばらないと!とやる気が上がりました。
朝起きてから出勤までにやりたいことをする良さを感じた
意志力は一日の終わりにはほぼなくなっているというところが印象に残りました。
裏を返すと、朝起きたときは意志力マックスの状態であるということです。
朝活は、時間の確保ということで良さがあると思っていましたが、それ以外にも意志力マックスなどのメリットもあり、仕事や趣味の成果も出やすい時間帯であるのかもしれません。
「やり抜く人の9つの習慣」:まとめ
今回は「やり抜く人の9つの習慣」について紹介させていただきました。
やりたいことを見つけたら、あとはこの9つの習慣に沿ってやり抜くのみです!
エビデンスをもとに具体的に紹介されているので、より深く学びたい人はぜひ本書を手に取ってみてください。
・目次
第1章 目標に具体性を与える
第2章 目標達成への行動計画をつくる
第3章 目標までの距離を意識する
第4章 現実的楽観主義者になる
第5章 「成長すること」に集中する
第6章 「やり抜く力」を持つ
第7章 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
第8章 自分を追い込まない
第9章 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
では、以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
日々成長!!