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【書評】「引き寄せる脳・遠ざける脳」を読んで勉強になった5つのこと【幸せホルモン「オキシトシン」を上手に使っていくことが大切】

・幸せを感じるためにはどのような考え方を身につければ良いのか?

・幸せの正体が知りたい

・「引き寄せる脳・遠ざける脳」を読んだ人の感想を知りたい

こんな要望に答えます。

記事の内容
・「引き寄せる脳・遠ざける脳」を読んで勉強になった5つのこと

・「引き寄せる脳・遠ざける脳」を読んだ感想

この記事を書く僕は、以下のような人間です

「小学校の教員をしている」

「子どものエピソード・本から得た学びをもとに自分自身の視野が広がることに喜びを感じている」

「引き寄せる脳・遠ざける脳」は東日本国際大学教授であり、数多くのメディアで活躍中の中野信子さんが、“幸せの正体”について脳科学的に解説している本です。

今回は、その「引き寄せる脳・遠ざける脳」の感想を簡単にまとめました。

この記事を最後まで読んでいただければ、幸せの正体を突き止めることができます。また、教員としても、脳科学を基にした人間の幸せについて勉強しておくことはとても重要です。幸せとはどのような状態なのか、どのようにすれば幸せという感情を作り出すことができるのか考えることができます。

「引き寄せる脳・遠ざける脳」:読んで勉強になった5つのこと

plasma ball digital wallpaper

「引き寄せる脳・遠ざける脳」を読んで勉強になったことは以下の5つです。

①幸せホルモンである「オキシトシン」の分泌により人は幸せを感じる

②オキシトシンの受け取り方は後天的に変化する

③オキシトシンは出る杭を許さない

④幸せな環境を作るためには言語スキルが必要不可欠

⑤利他的な行動こそ幸せへの近道

 

順番に解説していきます。

幸せホルモンである「オキシトシン」の分泌により人は幸せを感じる

本書では、

人が「今自分は幸せだなあ」と感じるためには、脳から幸せホルモンが出ると書かれています。

その幸せホルモンが「オキシトシン」です。

「幸せだな」と感じることは一時的な感情ですが、その時間をなるべく多くしたり、感じ方を豊かにしたりするためには、「オキシトシン」がとても重要な役割を担っています。

さらに、このオキシトシンが正常に分泌されると、副次的なことも多くあります。

オキシトシンを大量に分泌した個体の方が、認知能力が上がることが報告されています。

出典:「引き寄せる脳・遠ざける脳」

幸せも感じられるし、認知能力も上がるだなんて、オキシトシンは最高ですね!

ただ、オキシトシンの分泌含んだ脳機能が正常に機能するためには、いくつかの大切な要素があり、それらが欠けていると正常に機能しないようです。

オキシトシンの受け取り方は後天的に変化する

オキシトシンの分泌を含んだ脳機能が正常に機能するためには、分泌だけでなく、受け取り手の「オキシトシン受容体の密度」も関係しています。

幼少期に虐待を受けるなど過酷な環境下で育った人の場合、オキシトシン受容体の密度が低かったり、逆に過剰になったりする場合があります。オキシトシなどの受容体の密度が低くなると(省略)、「他人を信用できない」「愛情をあまり知らない」というような状態になりがちです。より正確にいうと(省略)、その受け取り手がないために「わかりようがない」のです。

出典:「引き寄せる脳・遠ざける脳」

と筆者は述べています。

オキシトシンの機能が正常に機能することによる愛情の感じ方が適切でなければ、人への適切なコミュニケーションや人間関係を築くことも難しくなってしまいます。

「できるのにやろうとしない」のではなく、「もしかして分からないのでは?」という視点で子どもを理解することはとても重要だと感じました。

このあたりの見極めが教師の腕の見せ所であり、子どもの成長を支える上での大きなポイントです。

オキシトシンは出る杭を許さない

たまにクラスである子が別の活動をしていたり特別なことをしていると、「◯◯さんだけズルい」と言う子がいます。

これにも実は「オキシトシン」が関係しています。

「オキシトシン」の正常は機能は良い人間関係を作る上で重要な役割を担っていますが、「〇〇さんだけズルい」はこの「オキシトシン」がネガティブに働いている状態だと言えます。

集団の中で、個人同士の絆はオキシトシンによって強固に形成されているため、そこからはみ出た者や、価値観の異なる集団の存在を許せなくなるのです。(省略)仲間意識をつくるオキシトシンは、「仲間はみな平等でなければならない」という強い前提をつくってしまうものでもあります。(省略)そういう意識が当該人物を除く全員のなかにじわじわ生じて、みんなで少しずつ寄ってたかって「出る杭」を打ってしまう。

出典:「引き寄せる脳・遠ざける脳」

「みんな平等でなければならない」というのは、その人の考え方であり人間性だと捉えていましたが、実は「オキシトシン」という「幸せホルモン」が大きく関わっているんですね。

幸せホルモン恐るべしです・・・

しかし、「出る杭」にこそ僕は価値があると思っています。

ふとした時に、子どもたちの中でとても素敵なアイディアが浮かぶ時があります。

これを「出る杭だね」と言って抑えてしまうことは非常にもったいないことです。

出る杭が打たれてしまうことのないように、教師自身が「今の自分は子どもたちに対して平等意識強すぎていないだろうか?」と問い続けていく必要があります。

幸せな環境を作るためには言語スキルも必要不可欠

本書では、幸せになるための方法もいくつか紹介されています。

その一つが「言語スキル」です。

その理由を筆者は次のように述べています。

多くの人が人間関係の問題だとしているものは、実は「自分が言いたいことをうまく表現できない」ことに多くの原因があること。(省略)つまり、時と場所に応じた言語スキルをうまく使いこなせないために、割りを食っていることがとても多いのです。(省略)逆に言えば、話がうまくなくても人間関係の機微に通じていなくても、言語スキルを高めることで人間関係を改善することはできる。

言語スキルや国語力の習得はまさに学校教育が力をかけて行なっていくべきところですね。

ディスカッションの場でも「相手に何を言われるか分からないから怖い」→「やりたくない」→「それならやらない方がいい」という思考に陥りがちではないでしょうか。

大人になったときに子どもがそうならないためにも、子ども時代からディスカッションの経験をたくさんし、「この場合はこう言った方が良いな」という適切な言語スキルの習得や相手とのなコミュニケーションの仕方を練習することに時間をかけていく必要がありそうですね。

「そんな時間とれないよ?」

と思われる方がいるかもしれませんが、言語スキルの習得は国語の時間だけでなく、全ての教科の時間で意識すればできることです。

相手のために行動をすることが幸せへの近道

幸せになるための方法で印象に残った二つ目です。

それは、「自分は今“いいこと”をしているんだ」と感じることです。

そう感じている時、脳内では、モルヒネのような鎮痛作用のあるβ−エンドルフィンなどが分泌さています。そうした物質が分泌されると、利他的行動をした時ならではの幸福感や陶酔するような感覚を得るようになるわけです。(省略)

人生の「幸せ」の観点からすれば、むしろ、利他的行動を取ったほうが手っ取り早くお得なのです。

出典:「引き寄せる脳・遠ざける脳」

誰かのために何かできた時ってとても嬉しく感じます。

そしてそういったことを積極的に行なってくれる子ってクラスの中に必ずいます。

そういう子は、誰かのために何かをする喜びの感覚を求めていて、かつその喜びが自分にとって心地の良いものだと知っているんですね。

配り物を手伝うというちょっとしたことやみんなが楽しめる企画を行うことなど大なり小なり、“誰かのために行動をすること=脳が心地よさを感じる”という本質は同じです。

「引き寄せる脳・遠ざける脳」:読んだ感想

four boy playing ball on green grass

教員として幸せの正体を脳科学的に理解することは大切だと思った

オキシトシンの分泌や受け取り方が愛情の感じ方や人間関係の構築に大きく影響しているということを踏まえて子どもを理解し支えていく必要性を感じました。

例えば、

相手との距離感がつかめず失礼な言動を相手に言う子がいたとします。

これに対して、「やめなさい」という指導をしました。

この指導について考えてみるとどうでしょうか。

その子からしたら「なんで怒られなきゃいけないの?」という疑問しか湧きません。

なぜなら、その子にとっては悪気がないからです。あったとしても相手との適切な距離感がつかめないということや、人を信用できないきっかけがあるからです。

そして、その困難さこそが、オキシトシンが正常に機能していないということなんです。

このように考えるとその子に対する眼差しが

「困った子」から「困っている子」

に変わります。

この、“眼差しの変わり方”が大切です。

“その子のオキシトシンが正常に機能するために自分は何ができるだろう?”を考え、試行錯誤していくことが教師の役目だと改めて感じました。

“ダメなものはどの子であれ平等に厳しく指導する”はあってなりません。その前に教師側にはやるべきことがあります。

“その子の困難さを理解する”ということです。

オキシトシンが正常に機能するようになれば、その子の幸せの感じ方も確実に良くなると本書から学びました。

幸せになることを追求していく楽しさを感じた

本書では、言語スキルの習得や利他的行動など、幸せになるためのヒントがいくつも書かれていました。

“どんなことが自分の幸せにつながるか”と考えただけでもワクワクしました!

また、次の言葉はかなり刺さりました

選んだことを正解にしていくのが人生

本当にその通りだなあと思いました。

今やっていることって本当に意味があるのかな?と時々感じることがあると思います。

そんな時は“もう後戻りはできない。それなら「今までやってきたことを意味があったんだ」と最後言えるために、今の自分、これからの自分には何ができるかの方が大切”と考える方が何倍も人生って楽しくなります。

「もうダメだ」と、自分自身がその出来事を失敗と決めつけない限り、いつまでも失敗なんて訪れません。

失敗は向こうから勝手にやってくるものでなく、自分から向かっているんです。

結局は自分がどう捉えるかに尽きるなあと学びました。

「引き寄せる脳・遠ざける脳」:まとめ

今回は「引き寄せる脳・遠ざける脳」について紹介させていただきました。

本記事の内容はほんの一部です。

幸せの正体や幸せになるための方法はふんだんに載っていますので、より深く学びたい人はぜひ本書を手に取ってみてください。

・目次

第1章 幸せホルモン「オキシトシン」の秘密

第2章 自分だけの幸せをつくる

第3章 正解がない人生を生きる幸せか

では、以上になります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

日々成長!!

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