【プロフィールと本サイトの特徴】について、まずはこちらをクリック

【ハッとさせられる本】教員向けオススメ本5選【思想編】

 

この記事では次の疑問に僕の経験をもとに答えます。

「現場で実践とか色々頑張っていきたい。そのために教育書から勉強したいんだけど,一体どんな本を読めば良いか分からない。」

このコロナ休校によって,いつもより時間が生まれていることもあるでしょう。

この時間をどのように使うかによって今後の人生が大きく変わってくると思います。

時間の使い方の一つに“読書”があります。

読書なら,外出せずに家の中で行うことができる,かつ自己研鑽できます。

 

本記事の内容

今回は【思想編】ということです。思想というと気難しく聞こえるかもしれませんが,簡単に言うと,実践する時に“ここは大事にしたい”という核となる部分のことをここでは言っています。

僕はこの「思想」がものすごく重要だと思っています。

色々な実践方法が近年話題になっていてそれはものすごく考えられていて僕も参考にさせていただいているものばかりです。

しかし,なぜこの実践をするのか,この実践をすることにどのような意義があるのか,その土台となる思想を教員がもっていなければ,『活動あって学びなし』ということになりかねません。

 要は,「Aという実践をすることそのものが良い」のではなく,「こういうことを大事にしているのであって,そのためにAという実践をする」という,ここが大事だということです。

そうでないと手段の目的化に陥ってしまいます。。

 

では,いきましょう!オススメ本5選!!

1 オススメ5選

1 学校の「当たり前」をやめた 前麹町中学校校長の工藤先生

 ここでいう学校の「当たり前」をやめたとは,過度な校則の廃止(茶髪やピアスもオッケー),定期テストを廃止して単元テストに変更,学級担任制を廃止して学年担任制に変更など,既存の学校を疑い,新たな枠組みに変更するところから学校改革を行っています。

それらには一つ一つ意味があるのですが,詳しくは読んでみてください。

根っこは「生徒の自律」であり,それを上位目的として考えています。

既存の枠組みを疑うことは,学校単位はもちろん,学年・学級単位でも重要なことです。

2 学校の「当たり前」をやめてはいけない 諏訪哲二先生

 この本に出会ったとき,「え??」と目を疑いました。タイトルの通り,上に書いた学校の「当たり前」をやめたと真逆の本です。

上の本を読んだら,ぜひセットでこの本も読んでみてください。ちなみに近くの書店に行ったら,隣に並んでいました笑

端的にいうと,子ども達は学級という枠組みで,共同的感覚を味わい,そこから段階を踏んで自立していくものである。

自立は良いけど,自律ってどうなの?とか

経済界からの人材育成の色が強い。そうでなく,学校は人間を人間として育てていく場なのでは?など

3 学級の歴史学 柳治男先生 

〈学級〉の歴史学 (講談社選書メチエ)

〈学級〉の歴史学 (講談社選書メチエ)

  • 作者:柳 治男
  • 発売日: 2005/03/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 世界における学級という枠組みがなぜ生まれたのか?初めから学級という枠組みが生まれたのではなく,徐々に同じ年齢で同じ地域の人がある一定数集まるというように変わっていきました。

読んでみると「あ〜学級ってこうやって徐々に出来上がっていったんだ!」と腑に落ちます!

学級という枠組みが作られた理由としては,

①効率化(決められた量の内容をよりスムーズかつ時間的に早く教えることができるということ)

②平等化(どういう環境であろうが一定の教育を保証されているということ)

の2点が大きく上げられます。

詳しくは本を読んでみてください!

4 どのような教育が「よい」教育か? 苫野一徳先生

どのような教育が「よい」教育か (講談社選書メチエ)

どのような教育が「よい」教育か (講談社選書メチエ)

  • 作者:苫野 一徳
  • 発売日: 2011/08/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 学校で大事にするべきものを哲学的に探究して本質を教えてくれます。

苫野先生は,

“学校は,「各人の〈自由〉及び社会における〈自由の相互承認〉の実質化」と定式化しているもの”と主張しています。

苫野先生の言っている自由って何?自由の相互承認て何?と疑問に思う方,ぜひ読んでみてください。哲学なので,かなり納得させられます。

他にも『「学校」をつくり直す』や,『はじめての哲学的思考』,中学生向けに,『勉強するのは何のため?』などいろんな本を出されているので,ぜひ読んでみてください。

5 教えるということ 大村はま先生

(旧)

新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)

新編 教えるということ (ちくま学芸文庫)

  • 作者:大村 はま
  • 発売日: 1996/06/01
  • メディア: 文庫
 

 (新)

教えるということ

教えるということ

 

 国語科の先生であり,ものすごい実践を数多くされてきた先生です。

この本では,初任者教員向けの研修など様々な講演でお話された言葉がそのまま載っていたりするなど,“教育者のあるべき姿”というものを教えてくれます。

この中でこの先生すごすぎると思った部分があるので紹介します。

大村はま先生は受け持ったクラスの卒業式に先生は涙を流しました。その涙は自分の受け持ったクラスが新たな世界へ羽ばたいていく感動の涙かと思えばそうではありません。「この子達に十分に力をつけて上げられたのだろうか」という後悔の涙だということでした。

この話だけ聞いても「うわー!!」となります。

卒業という最後の最後まで子どものことを考えているところに驚きを隠せませんでした。

当時は勤務時間なんて関係なく教材研究をしていたでしょう。それなのにも「やりきった」ではなく,“まだまだだ”という風に感じる先生の姿勢。

それと管理職にはならず,どこまでも現場の実践者として突き詰めていく姿勢にも感銘を受けました。

自分なんてまだまだ足元にも及ばないなあと思う反面,頑張ろう!とも思えるので、たまに僕はこの言葉を思い出しています。

 

まだまだおすすめ本はいくつもありますが,ひとまず5選ということで,また機会があれば紹介していきたいと思います。

2 どんな本を読もうか心がけていること

僕は読む本を選ぶときに心がけていることがいくつかあります。

1今の自分の興味・関心にあったテーマの本を読んでいます。

そうでないと長続きしないです笑

2いろんな著者の本を読むようにしています

そうでないと思想が凝り固まってしまう気がして・・・。あとは,多種多様の考えの中から共通項を見つけ出したり,自分はこれを大事にすると取捨選択をしたりっていうのも楽しいし,読んでみて自分の頭で考えることが大事だと思っています。

例えば,学校の「当たり前」をやめたと学校の「当たり前」をやめてはいけないって正反対です。

二項対立ではなく,よく見るとその間はグラデーションのようになっているので,自分の着地点はどこになるのか考えながら読むと良いと思います。

3 読み方

基本的に僕の読み方は,線を引くとかそういうことしません。

基本的には筆者の前書きを読み,その後は目次を見て「あ,面白そうだなあ」と思うところを重点的に読むようにしています。

ページ通りに順を追って読むのではなく,関心のあるトピックから読んでも良いです。

最初から最後まで全部読もうとするから,本を読むのが苦手なんて人もいると思うので,まずは

“全部読まなければいけないという考え方”を捨てましょう!!

 

3終わりに

いかがだったでしょうか。

ぜひ,一参考にしていただけると嬉しいです。

では!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。